トネリコの樹の下で

物理と音楽と時々水泳。オペラに関する話題が中心です。

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レヴァイン映像盤:『アルジェのイタリア女』(ロッシーニ)

間が空いてしまいました...。ようやく定期的な更新を再開できそうです。

①音盤情報
『アルジェのイタリア女』(ロッシーニ作曲)

 ムスタファ: パオロ・モンタルソロ
 タッデーオ: アラン・モンク
 リンドーロ: ダグラス・アルステッド
 イザベッラ: マリリン・ホーン 
 エルヴィーラ: ミラ・メリット
 ズルマ: ダイアン・ケスリング
 ハリー: スピロ・マラス、 他

 メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
 指揮: ジェームズ・レヴァイン
 演出: ジャン=ピエール・ポネル
 収録: 1986年1月、メトロポリタン歌劇場(ライヴ)

HMVはこちらですが、現在取り扱いはないみたいです。

②はじめに
はじめての鑑賞。音質に問題は感じませんでしたが、画質はやや荒さを感じる場面もありました。
版に詳しくはありませんが、目立ったカット等はなくリンドーロの2個目のアリアはロッシーニが書き直したものでした。

大好きな作品ながら映像で見たことがなかったので、入手した次第。実際目で観るとアホさ倍増で、更に『イタリア女』が好きになりました。例えばムスタファの救いようのないアホさ、1フィナの6重唱のイカれっぷりを強く再認識しました(笑)。

ポネルの演出ということで、写実的な作りを基本としながら随所に爆笑ポイントを散りばめている、非常に親しみやすいものでした。加えて歌手の演技がこなれていたのも大きいかなぁ。にしても『セビリア』然りMetのロッシーニ演出は、フィナーレでソリストが横1列に並ぶことが多いんでしょうかww (アンサンブルはしやすそうですけど)。

③指揮・オケ
指揮はレヴァイン。舞台との調整もお手のもので、ライブ1発収録ながらアンサンブルのズレがあまり無いのは彼のお陰でしょうか。
テンポは速くはないというぐらいで、歌手が大変そうなところはキッチリ遅くしてました。

④歌手
歌唱という観点ではまず第1はホーン。ロジーナやアンジェリーナにはドスが効きすぎる声ですが、イザベッラはOKかなと。かなり逞しいイタリア女なので、リンドーロ君が尻に敷かれることは不可避ですがw。
ライブに関わらず歌唱はほぼ完璧。第一人者らしいアジリタ、得意の低音に加えて高音も外れなし。特にそのレンジを活かした2オクターブ近い跳躍は圧巻です。見た目が「マダム」なのはご愛敬でしょうが、演技達者ですのでコメディアンとしてのホーンが楽しめます。

そのコメディアンという意味での第1はやはりモンタルソロ。アホを極めた王道的なボケ役であるムスタファ、こういった役をやらせたらモンタルソロはピカイチです。声も表情も含めて救いようもなくアホ(誉めてます)。特にその眼、完璧にイってます(誉めてます)。
当時60歳を越えてますが、歌自体も立派です。No.1でのアジリタだけは苦しそうでしたが、それ以降は文句なし。

モンクのタッデーオも、上記二人が(ストーリー的にも)目立つので拍手は大きくなかったですが、歌唱・演技揃ったすばらしいものだったと思います。強烈なインパクトこそ無かったですが声は伸びてましたし、こういった普通の人役にはドンピシャなのでは。
アルステッドのリンドーロはややハスキーな発声が気になり、登場のアリアはイマイチでした。しかしその後の重唱や2個目のアリアはなかなか良く、演技も上手だったので全体としては及第点かと。

チョイ役ながら出番の多いエルヴィーラ&ズルマも良い存在感。ハリーはアリアはまずまずながら、立ち振舞いは立派なもの。
合唱も安泰。

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さらにこの作品が好きになりました。ホーン、モンタルソロを筆頭とするコメディ溢れる舞台が楽しかったです。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))
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コメント


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っていうかロッシーニやベルカントものは、大演出時代が来るまでは大凡こういう演出だったんじゃないかなと。

演劇的ではない、リアリティがないという誹りからこういうの非難されるけど、オペラであって演劇ではないんだから、個人的には結構ウェルカムなんだけどな笑。

Basilio | URL | 2015-02-26(Thu)11:51 [編集]


Re: タイトルなし

Basilioさま

> っていうかロッシーニやベルカントものは、大演出時代が来るまでは大凡こういう演出だったんじゃないかなと。
そうでしょうねー、昔のものをYoutubeで観るとだいたい隣り合って歌ってますしw。
もちろんそんなには気にしていないのです。
ただここまで舞台っぽく(?)やってきていきなり「あれ?」となってしまって...。完全に好みの問題ですが、そこの場面“だけ”露骨なのが気になるんだと思います。


> 演劇的ではない、リアリティがないという誹りからこういうの非難されるけど、オペラであって演劇ではないんだから、個人的には結構ウェルカムなんだけどな笑。
僕個人としては(演技が上手いか、ホントにリアルかは二の次として)「それっぽく」演技演出してくれるものを好みますね。その世界にそれなりに入っていけるか、が個人的なポイントです。その意味で多少の「演劇性」は求めてしまっているかもしれません。(勿論7割は歌唱、音楽ですけど)。
その点で上述のやつは、浸っていたときにいきなりズイッと、画面前の現実に戻された感じがしてしまうのがちょっとひっかかりました。

まぁ元から殆ど中身の無い(オイ)場面なので、他にどうしろというのもありますが(笑)。
あ、勿論オペラなので、歌がダメなのはその時点でアウトです(演技演出以前の話として)。

とねりこ | URL | 2015-02-26(Thu)21:43 [編集]


まあね、そこで一気に引き戻されちゃうような感じになっちゃうとしたら、それは演出がいまいちだよねそれこそ^^;自然な流れでそういう風になるのがベストだとは思うんだけど。

個人的にはあの並んで歌うのは、オペラのひとつの様式美だと感じている部分もあるのですよ~

Basilio | URL | 2015-02-27(Fri)10:12 [編集]


Re: タイトルなし

> まあね、そこで一気に引き戻されちゃうような感じになっちゃうとしたら、それは演出がいまいちだよねそれこそ^^;自然な流れでそういう風になるのがベストだとは思うんだけど。

まぁ僕が変に気にしすぎているだけな気がしますけどね笑。


> 個人的にはあの並んで歌うのは、オペラのひとつの様式美だと感じている部分もあるのですよ~

確かにそれはありますね~。個人的にはセリア的なのではとっても自然でかつ効果的なことが殆どだと思ってます。
ただその様式は理解してるつもりでも、ブッファではちょっと引っかかることもあるという、超とっても個人的な趣味があるわけですw。
まぁ趣味というか好みというか、その程度ですね(^^)。

とねりこ | URL | 2015-03-02(Mon)18:29 [編集]


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