トネリコの樹の下で

物理と音楽と時々水泳。オペラに関する話題が中心です。

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カイルベルト(’55, 2nd)盤:『ワルキューレ』 (ワーグナー)

たまにはマイベスト盤を。

①音盤情報
『ワルキューレ』(ワーグナー作曲)

 ブリュンヒルデ: マルタ・メードル
 ジークリンデ: アストリッド・ヴァルナイ
 ヴォータン: ハンス・ホッター
 ジークムント: ラモン・ヴィナイ
 フンディング: ヨーゼフ・グラインドル
 フリッカ: ゲオルギーネ・フォン・ミリンコヴィチ 、他

 バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
 指揮: ヨーゼフ・カイルベルト
 録音: 1955年8月11日、バイロイト、ステレオ(ライヴ)

HMVはこちら。このシリーズはお値段が高いんですよねぇ......。

②はじめに
n回目の鑑賞。
最初期のステレオライブ録音。

My favorite『ワルキューレ』はこの盤です。
カイルベルトの55年リングと言えば、4部作全て発売された第1チクルス(以後1st)が有名。一方こちらの第2チクルス(以後2nd)は当作と『黄昏』の2盤のみ発売されています。

2つの『ワルキューレ』を比較すると、1stは重要な数ヵ所で録音が不安定で、そこがとても残念。2ndはだいたい安定していますが、その代わりにリマスターの都合か音が若干遠いので音の迫力は1stが勝ります。あとプロンプターだか舞台さんだか録音ディレクターだかの声がたまに聞こえてきて、ちょっと耳障りかな。

いずれにせよ70年80年台劣悪ステレオライブなんかに比べたら圧倒的に良いので、この時代の歌手を楽しむには最高の録音たちと言えます。

③オケ・指揮
カイルベルトの指揮も聴きもの。クナとはちょっとしたライバル関係にあったようですが、演奏も全く違うもの。
質実剛健と言われる職人の曲作り。盛り上がるところは盛り上がり、ゆったりしたところはゆっくり、実にストレートな指揮っぷりだと思います。勿論つまらないわけではなく、例えば1幕ラストの煽り方は病み付きモノ。(聴いたことない方は、ここだけでも一聴をお勧めします)。

Trp.の音が随分ストレートに録音されていますので、うるさく感じる人も多いでしょう。カイルベルトがペットを大きく吹かせる人だったという話もありますが、これはむしろ録音の問題かと。

④歌手
主要キャスト全員がマイベスト。中でもメードルのブリュンヒルデとヴァルナイのジークリンデをステレオで聞けるのはこの盤のみ。

まずメードルのブリュンヒルデ!!!。
旨味と色気たっぷりな艷やかな声、流暢な独語と濃い表現の融合、他の誰とも似つかない強烈な個性が彼女にはあります。特にその艶やかな声はぜひステレオで楽しみたい。その一言一言がファンには堪りません(^q^)/。
高音が苦手なのは有名な話。また声の威力で圧しきるタイプの歌手ではありません、あくまでヴァルナイやニルソンの爆声に比べればという話ですが。

またヴァルナイのジークリンデ、彼女自身は得意とは思っていなかった役のようですがなかなかどうして素晴らしい。ジークリンデはヴォータンの娘、半神です。なのでただの小娘ではダメで、ちゃんと神の娘としての風格があることが望ましいはず。そういう意味でヴァルナイは風格十分。
ヴァルナイの風格がともするとジークムントを食ってしまいそうですが、相手が重戦車ヴィナイなので安心。神の息子であり猛々しいヴェルズングであることを感じさせるお兄ちゃん。

グラインドルのフンディングも相変わらずのどす黒さ。そしてこいつを一喝でダウンさせるにはやっぱホッターじゃないと。
ホッターは言うまでもなくヴォータンそのもの。2幕1場2場の長丁場をだれさせませんし、“Das Ende”や“Geh”、“告別”といった決め所も実に決まっています。

あまり注目されないフリッカですが、彼女がシャキッとしないと音楽的にもストーリー的にも困ります。50年台常連のミリンコヴィッチは最も好きなフリッカ。美しさと威厳を併せ持った美声は、結婚の神様にぴったりです。ヴォータンを納得させるだけの説得力もあります。

ワルキューレたちもそれぞれ「個性」が感じられてよいですね。

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1stチクルスの陰に隠れてしまっていますが、ワーグナー好きなら必聴の盤だと思いますよ!!。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))
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