トネリコの樹の下で

物理と音楽と時々水泳。オペラに関する話題が中心です。

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ケンペ('61)盤:『ワルキューレ』 (ワーグナー)

ワーグナーは大好きなんですが、(苦ではないが物理的に)長いので聴くのもなかなか大変...。

①音盤情報
『ワルキューレ』(ワーグナー作曲)

 ジークリンデ: レジーヌ・クレスパン
 ジークムント: フリッツ・ウール
 ブリュンヒルデ: アストリッド・ヴァルナイ
 ヴォータン: ジェローム・ハインズ
 フンディング: ゴットロープ・フリック
 フリッカ: レジーナ・レズニック 、他
 
 バイロイト祝祭管弦楽団
 指揮: ルドルフ・ケンぺ
 録音時期: 1961年7月27日
 録音場所: バイロイト祝祭劇場
 録音方式: モノラル(ライヴ)

毎度おなじみ、参照はHMVのこちら

②はじめに
2度目の鑑賞。
ケンペの指環って音が悪かったり入手が難しかったりで「マニア御用達」というイメージがありますよね(^^;)。そんな中でもこの盤は、音も普通で入手も比較的容易ということでファンにとっては喜ばしいことです。

そんなわけで録音はなかなか。さすがに正規のライブ録音ほどではないしモノラルですが、ノイズは少なく安定しているので十分楽しめました。ただ2幕の最初だけ録音がなんか変で、マイクの調子が狂ったのか変な編集をしたのか...。最初2分ぐらいだけの話ですが。私の買った盤だけの不具合なのか?。

③指揮・オケ
名カペルマイスターの巧みな棒が聴きどころ。他の例えばカイルベルトと比べると柔軟性があり、智情や緩急のバランスがよいように聞こえます。そう言った意味で50年以上前の演奏ですが全く古さを感じないですね。

オケも問題ないと思いました。歌手とずれた時に慌てず何気なく対応するあたり、さすがはカペルマイスターとバイロイトのオケと言ったところでしょうね。

④歌手
総じて素晴らしいですが、特筆すべきはハインズとクレスパンでしょうか。

ハインズは贔屓にしてるんですが、いつもの真摯な歌い口と癖の少ないマイルドな美声はここでも健在。その声に表現とライブの熱気が加わり、この時代のホッターに勝るとも劣らない名演となっています。
ちなみにハインズはそのホッターの歌唱を敬愛していたらしく、ワーグナー作品における表現をトレースしているとのこと。確かに言われてみれば似てる気がします。

クレスパンのジークリンデとしてはあのショルティ盤で有名ですが、こちらはライブ。ショルティ盤では清楚ながら芯がある声で歌っているイメージでした。ここではその芯のある美声に、更に人妻っぽい色気も少し加わり稀代の名唱。ジークリンデのベスト(の1つ)じゃないでしょうか。

お相手のウールは徐々に調子を上げていった印象で、特に2幕はよかった。ただ、キャラクターテナーとヘルデンの間ぐらい声質と音の処理なので違和感が無くはない。芸が広いだけあって巧いのですが、彼はエリックやローゲ、マッテオなどの方が適正があるかな。
敵役がフリックなのでちょっと迫力負けしてて可哀想w。そのフリックはベテランの安定感と完成度。

ヴァルナイのブリュンヒルデは貫禄が毎度ながらすごい(笑)。その強靭な声と言葉に魔法をかけるが如き表現力にはただただ平伏すしかないです。一方で、年をとって重くなってきた声によるその「貫禄」は、(『黄昏』の同役ならいいでしょうが)この作品のブリュンヒルデに合っていないかなぁ、とも思ったり。贅沢な話ですが。
もう一人の女声レズニック、若い頃にジークリンデを歌ってますが今回はフリッカ。キレのある声で追求しててなかなか。ただヴァルナイがやたら貫禄あるので、一体どっちがフリッカなんだかww。

ワルキューレたちは、歌いだしの人が何やら危なかったり、ひとり個人的に引っかかる声の人はいましたが、総合的には大過なし。ジーヴェルトやグレイス・ホフマンといった名脇役も名を連ねています。

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この時代の録音は圧倒的にホッターのヴォータンが多いのですが(もちろんホッターは大好き)、このハインズや、例えばロンドンの歌唱も魅力的。ケンペの指揮とその他名歌手含め、見逃すにはもったいない盤だと思います!。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))
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