トネリコの樹の下で

物理と音楽と時々水泳。オペラに関する話題が中心です。

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ヴァルヴィーゾ盤: 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』 (ワーグナー)

もっとも好きな演目といってもいいこの作品から。

①音盤情報
楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』:ワーグナー作曲

 ザックス: カール・リッダーブッシュ
 ヴァルター: ジーン・コックス
 ポーグナー: ハンス・ゾーティン
 フォーゲルゲザング: ヘリベルト・シュタインバッハ
 ナハティガル: ヨゼフ・デネー
 ベックメッサー: クラウス・ヒルテ
 コートナー: ゲルト・ニーンシュテット
 ツォルン: ローベルト・リッヒャ
 アイスリンガー: ヴォルフ・アッペル
 モーザー: ノルベルト・オルト
 オルテル: ハインツ・フェルトホフ
 シュヴァルツ: ハルトムーツ・バウエル
 フォルツ: ニコラウス・ヒルデブラント
 ダーフィト: フリーダ・シュトリッガー
 エーファ: ハンネローレ・ボーデ
 マグダレーネ: アンナ・レイノルズ
 夜警: ベルント・ヴァイクル
 バイロイト祝祭合唱団
 合唱指揮: ノルベルト・バラチュ
 バイロイト祝祭管弦楽団
 指揮: シルヴィオ・ヴァルヴィゾ

 録音: 1974年7月、8月(ステレオ)

 以上HMV参照。そのHMVはこちら。(但しこれはデッカの『バイロイト名演集』というボックスです)。

②はじめに
3度目の鑑賞(たぶん)。
現在新品を手に入れようとすると上記ボックスぐらいしかないのかな...。安価での入手が難しいのが非常に残念な名演。ちなみにこのボックスは良質なライブ録音が揃っているので興味のある方にはお勧め、ボックスとしては安いので。

音質はライブですがかなりのクオリティ。バイロイトの響きを意識した録音なのか、私の貧弱な再生環境でも、音が全体から包み込んでくるような心地よいものとなっています。
かなり白熱した公演だったようで、バイロイトにも関わらず例えば3幕ラストは音が鳴りやむ前に拍手が入っています(幕が下りたんでしょうけど)。

多様な歌手がある種“異常”なまでの個性を放っていた60年代ごろまでのバイロイトとは違った、そのアンサンブルに味わいがある盤と言えると思います。


③指揮・オケ
まず素晴らしいのはヴァルヴィーゾの指揮。この盤の功労者は彼でしょう。もっぱらオペラに生きた指揮者のようで、今ではあまり名を聞くことはありません。一方で彼は例えばロッシーニの『アルジェのイタリア女』といった名録音を残していますね。(この録音大好き!!)

何よりも彼の指揮からはこのハ長調の音楽が生き生きと聞こえてきます。押し付けがましさの全くない“解放”された音。バイロイトのいい意味でも悪い意味でも寄せ集めなオーケストラがこんなに自由に(もちろん大きな乱れなく)演奏している録音はなかなかないと思います。

そのオケも素人耳には問題なし。50年代バイロイトとか結構金管がやらかしたりしてるのでそれに比べれば(^^;)。

全体のアンサンブル精度が高めなだけあり、3幕5重唱といった難所で粗や録音バランスが気になってしまうのはやや残念か。
あと、柔らか暖かい音作りなので「ドイツ的」かと言えば違うと思います。どちらかと言えばラテン系でしょうね。(あまり意味のない分類ですけど)。

④歌手
主役のリッダーブッシュを筆頭に心地よいアンサンブルを形成しています。指揮含めて聴いてて疲れない録音とも言えるかもしれません。

そのリッダーブッシュは相変わらずの明るい美声と滑らかな音作りを聞かせます。しかし突出して声を聴かせるというより彼が皆を率いてるイメージ。バスが演じるザックスはどうしても老けがちなのですが、彼はその声質のお陰でセーフでしょうか。
3幕中盤はさすがに疲れが見られますね。彼は高音に特別強いわけではないと思うのでその点はキツそう。しかし最終演説はちゃんときめてます。

ヒルテのベックメッサー、典型的なこの役の声質より高く明るい感じがします。故にかなり若く聞こえますね。役作りも結構“ブッファ”してるので聴いててオモシロイ。

コックスの騎士様。この時代を代表するヘルデンテナーですが、ここでは強い個性は感じません。優勝歌は手堅くしめてますが、ちょっと3幕5重唱は悪目立ちしてる気も。

ストリッカーのダーヴィット、声質・表現共に揃っています。しかし高音が危なかったり転がしが多少もたついたりと、並みいる猛者(シュライヤーやウンガー等)と比べるともう一歩感は否めません。

ボーデのエヴァはよい娘。発音がもごもごしてますけど、声はぴったりです。
ゾーティンのポーグナーとレイノルズのマグダレーネは(悪くは無いですけど)普通かな。この2役、実は出番多くないですよね(^^;)。

ニーンシュテットのコートナー含め他のマイスターも問題は感じず。若き日のヴァイクルの夜警もファンには嬉しいですね。
合唱はさすがバイロイトでめちゃうま。精度がスタジオ並みww。3幕のベックメッサーの歌のあとの「ドッ」って感じの笑い声とかホントうまいなぁと。

あえて言えばリッダーブッシュとヒルテ、あとは合唱が聴き所でしょうか。

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ワーグナーの暖かい音楽を楽しむにはもってこいの盤だと思いますよー。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))
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