トネリコの樹の下で

物理と音楽と時々水泳。オペラに関する話題が中心です。

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メト・ライブビューイング2016-17:『ばらの騎士』

ライブビューイングなので「実演感想」かどうか微妙なところですが。

①公演情報
『ばらの騎士』 (R. シュトラウス作曲)

 オクタヴィアン: エレーナ・ガランチャ
 元帥夫人: ルネ・フレミング
 オックス: ギュンター・グロイスベック
 ゾフィー: エリン・モーリー
 ファニナル: マルクス・ブリュック
 マリアンネ: スーザン・ネーヴェス
 ヴァルツァッキ: アラン・オーク
 アンニーナ: ヘレネ・シュナイダーマン
 歌手: マテュー・ポレンツァーニ 、他

 メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱団
 指揮: セヴァスチャン・ヴァイグレ
 演出: ロバート・カーセン
 録画: 2017年5月13日

日本語のページはここですが、出演者情報等詳細はMetのページの"Read Program"→"May 13"から。

②はじめに
映画館でオペラが見れる「ライブビューイング」による観劇。実は今期の『トリスタンとイゾルデ』(ラトル指揮でステンメとスケルトンが主演)も見ていたのですが、感想に書き起こしてはいません。これも良かったです。
映画館なので言っちゃえばDVDやBDで観るのと似ているのですが、外国での直近の公演を、大画面・大音量で集中して、また手軽に見れるこの環境は、お金と時間を費やす価値があると思います。
まぁ正直なところ、録音のせいか劇場のせいか機械ノイズが気になったりするなど、完璧な環境とは言えませんが、それは目を瞑りましょう。

カーセンの新演出、20世紀初頭を念頭に置いた派手派手しくもどこか退廃的な舞台でした。3幕における読み替えが少々刺激的な節もありますが、全幕通じて楽しめる演出かと。その3幕のR18っぽさも、"きれいな話"に逃げない感じで割と好きです(ラストの重唱の時は気が散るのでそこは微妙ですが)。

③指揮・オケ
ヴァイグレの指揮はワーグナーに比べれば中庸に寄ったオーソドックスな演奏。各楽器間の重なり合い、テンポの綱引きをコントロールしていたのは見事。(ここらへんが大変だと幕間に語っていた気がします)。脂の適度にのった演奏。

③歌手
なんといっても本公演で元帥夫人役・オクタヴィアン役から引退することを公言しているフレミングとガランチャ。彼女らへの歓声が割れんばかりでした。今回の録画日が千秋楽だったのもあり、今まで私が観たなかで一番盛り上がってたカーテンコールでした。

フレミングはそこまで好きな歌手ではないのですし、声的にも容姿的にも衰えがあるのは言わずもがなですが、ここでの熱演にはただただ平伏すのみ。1幕でのおだやかな悟りから、3幕で見せる感情の高ぶりまで、彼女の元帥夫人の集大成を見せてもらった気がします。

ガランチャがまた圧倒的。演技然り声然り容姿然り、現代最高のオクタヴィアンでした。もうズボン役は若手に託したいとのことでしたが、今後も彼女の歌から目が離せません。演出的にも演唱的にも、本公演で1人を挙げるならガランチャでしょう。

グロイスベックは前のメスト映像盤に引き続いての登場、上二人にも負けないブラボーを貰っていました。ウィーンに続いてメトでも絶賛された彼のオックスは、もはや現代一と言ってよいのではないでしょうか(溺愛)。
道化的な愛すべきおじちゃんではなく、精力逞しい尊大な門閥貴族といった"嫌な"役作り。メスト映像盤と似たような解釈ですが、こちらは粗野な成分が多めか。歌唱はどちらも変わらず素晴らしいですが、声量としては今回の方が出ていた(or よくマイクに入っていた)ように感じました。

モーリーも上記三人に負けていません。高音が非常に綺麗に響いています。
ブリュックは声としてはなかなか。ただ演出のためか、あまり好感の持てるパパでは無かったですね。
ポレンツァーニの歌手は(結構豪華な配役ではありますが)個人的には普通。

脇役で出色はヴァルツァッキ役のアラン・オーク。早口巧みなその歌唱は、1幕での大量の脇役の中で最も光ってました。

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ヴァイグレの指揮とグロイスベックのオックスを聴くのが主目的でしたが、期せずしてフレミング/ガランチャという当役ラストに触れることができました。
これだけ盛り上がった公演なのだし、ぜひとも販売されてほしいなーーーと思います。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))
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