トネリコの樹の下で

物理と音楽と時々水泳。オペラに関する話題が中心です。

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ヨッフム('54)盤『ローエングリン』 (ワーグナー)

①音盤情報
『ローエングリン』 (ワーグナー作曲)

 ローエングリン: ヴォルフガング・ヴィントガッセン
 エルザ: ビルギット・ニルソン
 オルトルート: アストリッド・ヴァルナイ
 テルラムント: ヘルマン・ウーデ
 国王ハインリヒ: テオ・アダム
 軍令使: ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ

 バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
 指揮: オイゲン・ヨッフム
 録音: 1954年、バイロイト祝祭劇場、モノラル(ライヴ)

HMVのこちらを参照しました。

②はじめに
2度目の鑑賞。54年バイロイトのライブ録音です。

ヨッフムの「ローエングリン」はマイナーながらDG正規盤があるようですが未聴。(バイロイトへの出演がない歌手が多く出てるのでいつか仕入れたいと思ってます)。

③指揮・オケ
ヨッフムは何かに憑かれたのかやる気満々だったのか、勢いがすごい。基本的にテンポ早めで、巻きすぎて弦や合唱が着いていけてないところもチラホラ。特に場面転換は速すぎて低弦が可哀想ww。
しかしその勢い、弛みなく進んでいくエネルギーは聞き応えがあります。

④歌手
キャスト6人全員が、ワーグナーが好きなら耳にタコができるほど聞いた声という稀有なライブ録音。

女傑ニルソンによるエルザは、誤解を恐れず言うと「テバルディのミミ」っぽい。若い頃とはいえもちろん声はニルソンだけど、意外と少女っぽく細やかな歌唱です。
ウーデのニヒルなテルラムント、ヴァルナイの“the オルトルート”はやはり文句なく素晴らしい。
バイロイト初登場のFDは軍令役。巧すぎて若干引くけど(笑)、ここまで歌を込めた軍令は他に無いもの。

万能英雄ヴィントガッセン、登場時はやや不安定ながら徐々に調子をあげ、2幕以降は磐石か。でも個人的には、彼の説教じみたローエングリンはちょっと役のイメージと違うかなぁ...。
アダムはそもそも若く聞こえる声ですが、さーすがに若すぎたか...。そこそこ立派だとは思うんですが、あまり声が整っていないのとすごく緊張してるっぽいのがやや残念。

合唱も指揮に頑張って付いていってます。

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まくしたてるような指揮に加え、眩しすぎるほどのキャスト陣に圧倒される盤となっています。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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シッパーズ盤『ラ・ボエーム』 (プッチーニ)

①音盤情報
『ラ・ボエーム』(プッチーニ作曲)

 ミミ: ミレッラ・フレー二
 ムゼッタ: マリエッラ・アダーニ
 ロドルフォ: ニコライ・ゲッダ
 マルチェッロ: マリオ・セレーニ
 ショナール: マリオ・バジオラJr.
 コッリーネ: フェルッチョ・マッゾーリ
 ブノワ: カルロ・バディオーリ
 アルチンドロ: パオロ・モンタルソロ
 パルピニョール: ヴィットリオ・パンダーノ 、他

 ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団(コーラス・マスター:ジャンニ・ラッザーリ)
 指揮: トーマス・シッパース
 録音: 1962年、1963年、ローマ歌劇場、ステレオ(セッション)

HMVはこちらから。

②はじめに
3回目の鑑賞。スカラ座デビュー前のフレーニによるミミで有名な盤。
音質にも特段の問題なし。

殊"ミミ"という観点では最高の録音だと思っています。

③指揮・オケ
シッパーズの指揮は勢いがある、若き才能を感じさせます (いや、今の私より全然年上ですがwww)。
しかし彼の棒はこの作品にはザクザクしすぎな気が...。もっと”横”の流れを意識した作りにしないと楽譜が活きてこないかなと思います。
2幕が生き生きしてて一番よかったかな。

④歌手
なによりそのフレーニのミミ!! よくぞこの時期のフレーニをステレオで残してくれました、感謝感謝感謝!!
この若さ、この愛らしさ、この慎ましさこそミミ。どの音域どの旋律にも瑞々しさが溢れています。彼女が歌っていると音すべてが輝いて聴こえる、というのは言い過ぎでしょうか?

ゲッダは若々しいしうまいんだけど、声がプッチーニには合わない気がする。ま、十分いいんですけど。
セレーニは渋さが売りですがマルチェロには渋すぎか(^^;)。アダーニは声もキャラもよいハイレベルなムゼッタなんですが、相手(?)がそのフレーニなので色んな点で割りを喰ってしまってます。

マッゾーリによる人間臭い外套の歌も耳に残っていますし、ちょい役アルチンドロのモンタルソロもさすがな存在感。

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特にフレーニのミミは必聴。その他の要素を好むかは人それぞれでしょうが、フレーニだけはとりあえず聴いてみて欲しい音盤です。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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アバド旧盤『セビリアの理髪師』 (ロッシーニ)

このごろ有名盤が多くなってます。

①音盤情報
『セビリアの理髪師』 (ロッシーニ作曲)

 ロジーナ: テレサ・ベルガンサ
 アルマヴィーヴァ伯爵: ルイジ・アルヴァ
 フィガロ: ヘルマン・プライ
 バルトロ: エンツォ・ダーラ
 バジリオ: パオロ・モンタルソロ
 ベルタ: ステファニア・マラグー 、他

 ロンドン交響楽団、アンブロジアン・オペラ・コーラス
 指揮: クラウディオ・アバド
 録音: 1971年9月、ステレオ録音

HMVのこちらを参照しました。

②はじめに
n回目の鑑賞。超々有名盤。
映像盤・新盤(ドミンゴがフィガロを演じたやつ)は未聴です。

ロッシーニルネッサンスの功労者アバドによる録音。ゼッダ版のクリティカルエディションによる録音とのことです。(しかし伯爵の大アリアは入っていません、残念......)。

③指揮・オケ
アバドとLSOは整った音作り。真面目すぎる印象もありますが、ここまで整えた演奏でも愉しさを失わないのは凄いところ。

チェネレントラ同様CDでのオケはLSOですが、彼らの響きがそういう印象を与えるのかもしれませんね。個人的にはもっとウキウキしてた方が好みですけど...。

④歌手
プライのフィガロは有名ですが、現代の耳には音捌きが少し雑。彼は本来“ルネッサンス”以前の人なんだと思います。もちろんそれはハイレベルでの話で、そのキャラと声の魅力は愛すべきもの。
同様に“ルネッサンス”以前の人であろうアルヴァの伯爵。ここではその甘い声を垂れ流すのではなく、歌い口を整えて臨んでいるようです。所々転んだりでアジリタは傷ありですけど、ある種“美しい”歌唱で優しさと余裕を感じさせる伯爵。

ベルカンザは言うに及ばずロジーナの第一人者。声・技術・表現、文句の付けようがなくて逆に困る(笑)。
ダーラもチャーミングで明るい役作りで、やはりバルトロのベスト。モンタルソロはいつもどおりの王道的ダメおじちゃん、しかしそれでいてマンネリ化しない面白さがよい。

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有名なだけあって魅力大なのですが、諸手をあげてのベスト盤かというとちょっと違う気もしますね。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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テイト盤:『ホフマン物語』 (オッフェンバック)

①音盤情報
『ホフマン物語』 (オッフェンバック作曲、ケイ版)

 ホフマン: フランシスコ・アライサ
 オランピア: エーファ・リント
 アントニア: ジェシー・ノーマン
 ジュリエッタ:シェリル・ステューダー
 ミューズ、ニクラウス: アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
 リンドルフ、コルペリウス、ミラクル博士、ダペルトゥット: サミュエル・レイミー
 クレスペル: ボリス・マルティノヴィチ
 スパランツァーニ: リカルド・カッシネッリ 、他

 ライプツィヒ放送合唱団、シュターツカペレ・ドレスデン
 指揮: ジェフリー・テイト
 録音: 1989年6月、ルカ教会(ドレスデン)、デジタル(セッション)

こちらHMVを参考にさせてもらいました。

②はじめに
3度目の鑑賞。ケイ版初録音らしい。(ホフマンの版には明るくないので詳細は省きます...^^;)。
音質はよく、非常に聞きやすいもの。

今日のケイ版を基本とする『ホフマン』の演奏は、この頃から始まったのかなぁ。

③指揮・オケ
テイトとドレスデンの音作りは丁寧で好感は持てるんだが、幾分オッフェンバックには柔らかすぎる気がします。ドレスデンの暖かく触り心地のよい音が、ここではあまりフィットしてないかなーと...。

とまぁ贅沢な文句を言ったものの、別に演奏が悪いわけではないので楽しめるものだと思います。

④歌手
アライサのホフマンは、気品と若さ、情熱のバランスがよい。クラインザックのキレある高音に始まり、終始名唱。
フォン・オッターのミューズはどことなくお洒落、お気に入りです。ケイ版ではミューズ/ニクラウスの出番が多いので、彼女が素晴らしいのは大きなポイント。
悪魔4役はレイミー、スーツ着てスッと近寄り、周りに寒気をもたらす系悪魔。"輝けダイヤモンド"が無いことだけがちょっと残念か(^^;)。

リントのオランピア、スチューダーのジュリエッタはそれぞれ役に合った歌唱。ノーマンはうまいんだけど、彼女のオランピアは病弱死にかけに聞こえない(笑)。

数の多い脇役と合唱も特に問題なし。
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ナガノ盤と並び、ケイ版の代表的録音でしょう。特にアライサ、フォン・オッター、レイミーは必聴です。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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新国立劇場 『パルジファル』 舞台総稽古 (2014年9月29日)

 今回はこちら、新国『パルジファル』のゲネプロ (舞台総稽古、GP)を観てきました。今回予定がつかず、本公演はいけないんですよね...。GPを見せてくれた関係者の皆さん、ありがとうございました。
 ゲネプロだけで記事にするのもどうかなとも思いつつ、でもせっかく観てきたのだから自分用に感想を書き留めておこうと考え、この場を使わせていただきます。
 
 はじめに、≪私が観てきたのはゲネプロ(要はリハーサル)≫です。なのでセーブして歌っている歌手もいたでしょうし、演出もオケも当然本番の方が良くなったことと思います。このことをご了承ください。

 公演の詳しい情報は上リンクの公式サイトにお任せします。気になる方はそちらから是非。
 演出についてはきっと本公演を見に行った方からの詳しい感想があがるでしょうから割愛。シンプルで大きな奇抜さがないので、違和感なく、しかし興味深く楽しめる演出だとだけ記しておきます。

 指揮とオケは、感動的。特に前半は多少乱れてましたが、当日までに修正されたことでしょう。やはり飯守さんの指揮は素晴らしく、ワーグナーの音、『パルジファル』の音を劇場内に響かせていました。テンポはやや速めながら丁寧な作りだったと思います。
 この作品、やはり劇場で聴くのがいいなと実感。前奏曲、場面転換の音楽、聖金曜日の音楽などなど、これらを劇場の生音に包まれて体感できたこと、嬉しく思います。

 歌手ではアンフォルタスのシリンスが絶唱。過去の名アンフォルタス、ジョージ・ロンドンを思わせる硬く黒光りする声。登場からどんどん調子を上げ、魂の底からの"Erbarmen !"。飯守さんたちバックとともに会場中の空気を震わせ、(GPながら)聴衆全員の"Mitleid"を勝ち得たものと思います。心の底から震わされたのは、(この前の『ライン』のアルベリヒの呪いも凄かったが)新国でのフォークト以来かもしれない。「来年の『ワルキューレ』も、何とかチケットを取らねば」と思わされました(笑)。
 またヘルリツィウスのクンドリも熱唱。声・容姿・演技の3点揃った素晴らしいクンドリ。まぁ声は怪しいところもありましたけど、あれだけの熱唱なら文句はありません。
 この比較的若い二人のこれからの活躍に目を離せないな、と。

 トムリンソンは超ベテランらしい存在感で、ずれやミスをモノともしない横綱歌唱。この日は音程とリズムが怪しくて「年取ったなぁ」という印象でしたが、本公演初日の感想をちらほら見るに、この日の調子がよくなかっただけかもしれませんね(もしくはGPで手を抜いてただけ)。
 フランツのパルジファル、覚醒以降はなかなか力強かった。時たまへなちょこに聞こえる彼の声は、「愚者」にはぴったりだなぁと思います(褒めてます)。ただ他の人がよかったのであまり目立っておらず、このリハではセーブしてた感じの印象。

 クリングゾル役は体調不良により、カバーの友清さんというかたが代役。カバーでここまで歌って演技できるってすごい。彼には大きなブラボーが飛んでましたね。(カーテンコールありとはいえGPなので、彼以外への拍手・声援は控え気味でした)。
 ティトゥレル以下脇役も締まっていたのも嬉しい。特に第2の騎士がよかった。

 男声合唱は多少乱れてましたけど迫力あり、女声合唱は実に美しかった。合唱の巧さも新国のすばらしいところだと思います。



 ということでゲネプロの感想でした。本公演行く方は、是非楽しんできてください!!。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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