トネリコの樹の下で

物理と音楽と時々水泳。オペラに関する話題が中心です。

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シュタイン映像盤:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』 (ワーグナー)

連続ワーグナー。前から気になってた映像作品です。

①音盤情報
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(ワーグナー作曲)

 ザックス: ベルント・ヴァイクル
 ポーグナー: マンフレート・シェンク
 ヴァルター: ジークフリート・イェルザレム
 エヴァ: マリアンネ・ヘガンデル
 ベックメッサー: ヘルマン・プライ
 ダーヴィット: グレアム・クラーク
 マグダレーネ: マルガ・シムル
 コートナー: ジェフ・フェルメールシュ
 夜警: マティアス・ヘーレ 、他

 バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
 ホルスト・シュタイン(指揮)

 演出、美術:ヴォルフガング・ワーグナー
 衣装:ラインハルト・ハインリヒ
 映像監督:ブライアン・ラージ
 収録:1984年 バイロイト祝祭劇場
 
こちらより詳細が見れます。

②はじめに
当盤初聴。
バイロイト音響のおかげか、オケの音の厚みが上下左右から満遍なく響いてきくる気がする。この映像用の演奏のようで、お客は入っていません。編集の都合かもしれませんが3幕5重唱でちょっと音ズレしてた気が...。
この映像も日本語字幕はありません。(昔は国内盤もあったようですが)。

演出はオーソドックスといわれるその通りで、ふっつー。今となっては地味すぎる気がしますが、その分歌は楽しめます。ただ最後に演出家自ら出てくるのは「オマエ誰」感あっていかかがものかと。
セットの雰囲気は当時のものを再現している。けど結構簡素で、演技スペースをとるためかスカスカに感じることもしばしば。

③指揮・オケ
日本に馴染み深い(らしい)シュタインの棒。まさにマイスターの仕事で安心して聴けます。

今回、ベックメッサーのパントマイムで音楽の雄弁さを再認識。演者に名手プライをもってしても、あそこでは音楽の情報量が圧倒的ですね。(もちろんそう作曲されてるのでしょうが)。

④歌手
容姿含めて高レベル。

多くの人が仰るようにヴァイクルとプライが特によい。ヴァイクルはいつもの髭もじゃ熊さん顔で靴屋の親方っぽさがある一方、欲を言えば風貌にダンディさが欲しかったなぁ。とはいえ歌は最高のザックス。ニワトコのモノローグや、3幕の細々したやりとりが聴きどころ。
よくよく考えれば、パパゲーノの簡単な旋律にあれだけの生命を吹き込み、両フィガロや各種オペレッタにおいて絶妙な言葉捌き音符捌きで魅せ、ドイツリートも得意とする、そんなプライのベックメッサーが悪いわけないんですよね......。セレナーデのなんと魅力的なことか、これぞマイスターの歌。1幕からしっかり存在感があります。

イェルザレムは確かな表現と音捌き、背伸びしない堅実な音楽作り、結構映える立ち姿が魅力。「華がない」と言われるのもわかりますが、それだけで評価はできません。高音が少しキツそうながらアリアはぐっとで、2幕での癇癪もなかなか。
ダーヴィットのクラーク、小柄だけど端正な顔つきで演技もうまい。喧嘩に出陣するときのダッシュジャンプとかアクロバットですな。歌唱も第一級。
ポーグナーもうまく、そんなに多くない出番ですがきっちり決めています。

ヘガンデルのエヴァはかわいく綺麗な声でお上手。ただ1幕2幕ではレーネのシムルのほうが声も振る舞いも上な気がするし、3幕は他キャストが魅力的なので、全般的に地味な印象となり損してたかも。

コートナー以下マイスターや夜警も問題なし。合唱はバイロイトですしそりゃお上手。

どうでもいいんですけど髪の毛天パの人多くない?(^^;)

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名手たちの音楽を聴きながらゆったりと映像も観る盤といったところでしょうか。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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ケンペ盤:『ローエングリン』 (ワーグナー)

2年前ぐらいにしこたま聴いてた作品です。

①音盤情報
『ローエングリン』(ワーグナー作曲)

 ローエングリン: ジェス・トーマス
 エルザ: エリーザベト・グリュンマー
 オルトルート: クリスタ・ルートヴィヒ
 テルラムント: ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
 国王ハインリヒ: ゴットロープ・フリック
 軍令使: オットー・ヴィーナー 、他

 ウィーン国立歌劇場合唱団(コーラス・マスター:リヒャルト・ロスマイヤー)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮: ルドルフ・ケンペ
 録音: 1962年11月23-30日、12月1-5日、1963年4月1-3日、アン・デア・ウィーン劇場、ステレオ(セッション)

こちらを参照。

②はじめに
n度目の鑑賞。録音はいまの耳からすると古めに感じますが、れっきとしたステレオ。
古くから決定盤のひとつとして挙げられてきた名盤のようです。

③指揮・オケ
この作品ってかなり指揮の好みが出ると思うんです。なんでかはよくわかりませんが。ちなみに個人的にはサヴァリッシュの指揮が好き。
この『ローエングリン』には 浮世離れした“中世騎士物語絵巻” といった雰囲気があると思ってます。なので、あんまり指揮者が好き勝手やると人為的・現代的な印象が強くなり、私は好きになれません (例えばカラヤン)。

それにしても、ケンペの指揮はいつになく緩やか。上記のような好みがある私でも、さすがに消極的で野暮ったいと感じてしまう。歌手に気を使いすぎたんでしょうかねぇ。もちろん多くの箇所では気にならないのですが、1幕各所などしばしば気になります。
まぁ完全に好みの問題でしょうけど。

ウィーンフィルの音はいいのですが前述の感じであまり統率を感じません。オケだけで鳴りつづけるところはかなりいいんですけど......。つまり前奏曲はよい。

④歌手
トーマスは適度にヒロイックで濃すぎない美声が心地よい好みなローエングリン。が、ここではあまり調子がよくなさそう。グリュンマーはそのビブラートゆえ古さを感じる人も多そうですが、ただのお人形姫さまに終始しない歌唱はすばらしい。2人の3幕でのやりとりは聴き応えあり。

フィッシャー=ディースカウのテルラムントはよいなぁ。ちょっとひねくれた役なので彼の表現のうまさが光ります。例えば2幕のエルザに耳打ちするところは絶妙。相方のルートヴィヒのオルトルード、いつもの声と表現の揃った歌唱はさすが。高い音も何のその。ただし若き日のご両人、もう少し野生味があればなぁと思ってしまう。

フリックの国王は立派な声だけど、声質ゆえ善良な国王には不向きに感じイマイチ。ヴィーナーの軍司令、猛々しさ控えめだがこれぐらいの方がリアルかもと思ったり。
合唱はふつーです。

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名盤のひとつであることは確か。しかし個人的にはあまり好きになれない盤でもあります......。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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セラフィン旧盤:『椿姫』 (ヴェルディ)

所用で『椿姫』を聞かなきゃいけなくて、どれにしようかと迷った結果これ。

①音盤情報
『椿姫』(ヴェルディ作曲)

 ヴィオレッタ: アントニエッタ・ステッラ
 アルフレード: ジュセッペ・ディ・ステーファノ (ステファーノ、ステファノ)
 ジェルモン: ティト・ゴッビ
 フローラ: エルヴィラ・ガラッシ
 ガストン: ジュセッペ・ザンピエリ 、他

 ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
 指揮: トゥリオ・セラフィン
 録音:1955年9月15-21日、ミラノ、スカラ座(モノラル)

HMVはこちら

②はじめに
たぶん2度目の鑑賞。
モノラル時代の名演と言われているやつです。音質はまぁこんなもんかという感じ。声が前面で録られていて、鑑賞に問題はありません。

契約の問題でEMIはカラスが使えず、新進気鋭のステッラを起用、それにともない(なんかよくわからんけど)セラフィンとカラスの仲が悪くなったという噂の盤。

③指揮・オケ
こういう「ブンチャッチャ」と揶揄される音楽では、セラフィン爺様が天下無双ですな。歌にぴったりだしオケも伸びやかだしテンポもちょうどよい。ロス・アンヘレスとの新盤(未聴)はステレオらしいので聴いてみたい。
てか、一度でいいから彼の棒で演奏してみたかったなぁ......(傲慢)。

④歌手
渦中のステッラですが、なかなか素晴らしい。1幕の高音や転がしはもう一歩だし(ハイEsに上げてはいません)、カラスほどの強烈な表現ではありません、美声ではありますが極上の美しさというわけでもない。しかしそこが素晴らしさで、正に中庸。(もちろんこの「中庸」というのは本来の意味に沿ったプラスの意味です)。

ディ・ステファノ(この表記が適切でないことは承知ですがこう覚えてしまったので)はまさに全盛期。陽気で甘々な歌い口は筆舌に尽くしがたい。1幕ラストの影歌が大げさで吹いた(笑)。

ゴッビは名前だけ見るとどんな極悪パパが出てくるのかとも思いますが、ここでは意外に名演で、語り諭すパパジェル。あの独特な頭声を使い無駄に大声を出さずに行う2幕での説得は聴きもの。カッチョよすぎるバスティアニーニや逞しすぎるカプッチッリよりはあってるかもしれないですね。

脇役も合唱もお上手です。

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カラスのヴィオレッタを、この『トスカ』ばりのメンツで残してほしかったというのもあります。しかし代わりにステッラの録音が残ったことは私としては嬉しい限りです(^^)。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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ヴァイケルト映像盤:『セビリアの理髪師』 (ロッシーニ)

実はロッシーニをまともに聴くようになったのはごく最近なのですが、ハマったら最後、数日に一回は聴かないとだめな体になってしまったんですよね(笑)。

①音盤情報
『セビリアの理髪師』(ロッシーニ作曲)

 ロジーナ: キャスリーン・バトル
 アルマヴィーヴァ伯爵: ロックウェル・ブレイク
 フィガロ: レオ・ヌッチ
 バルトロ: エンツォ・ダーラ
 バジリオ: フェルッチョ・フルラネット 、等

 メトロポリタン歌劇場管弦楽団
 指揮: ラルフ・ヴァイケルト
 演出:ジョン・コックス

 収録時期:1989年2月
 収録場所:メトロポリタン歌劇場

HMVはこちらのページ。

②はじめに
当盤初聴。
音質・映像は普通によく、さすがアメリカ。ただし日本語字幕はないのでご注意を。

演出は普通。だけどそれで十分。役者が揃っているから、特別な事をしなくてもとっても笑えます。ただ両幕フィナーレで、キャストが前に並んで歌う演出はいかがなものか。ヌッチはこの部分演出が嫌いなのか、フィナーレだけ心なしかなんか不機嫌そう(笑)。細かい話ですけどね。
廻り舞台を使っていて、セットが大掛かりだなぁという印象。ほんの数十秒しか映らないセットもあるし。

メト恒例の登場拍手がちょこちょこあります。

③指揮・オケ
指揮もオケも安定。
しかし堅実な感じなので、もっと伸縮性がありもっと生き生きとしたものの方が好みではある。

④歌手
オールスターキャストとはこのこと。

ヌッチとダーラがほんと最高。ヌッチはまさに乗りのいいあんちゃん。高音もアジリタも難なくこなすし、演技もさすがのもの。ダーラも最高のもので、演技とコメディセンスが抜群で笑える笑える。彼はそこまで美声とは言えないし高音もそんな強くない気がするけど、アジリタや言葉捌きに加えて絶妙な歌い口で魅せる。容姿も含めて実にチャーミングでかわいいバルトロ。この二人は各役のベストと言っていい出来ではないでしょうか。
フルラネットのバジリオもよい。やたらボロっちい格好で出てきてびっくりしたけど、卑しいバジリオを演じている。演技も声も上の二人に負けないもの。

ブレイクの伯爵、最後の大アリアを実際の舞台で復活させたのが彼。その大アリアは圧巻で、他の共演陣に散っていた視線を最後に伯爵にグッと集めた感じ。さすがにその大アリア後は息切れしてて、やっぱ大変なんだなぁと(^^;)。ただ1幕登場のアリアはまだ温まってなかったのか微妙か。そのあとは問題なく、コメディセンスもなかなか。
彼の脂の乗った、人によってはくどく感じる声と歌い口は少し気になるし、伯爵としてはもう少しノーブルな方が好みではあります。またアジリタはもちろん上手だけど、実演ゆえのちょっとした綻びがあるのはご愛敬ですね。

バトルはメトのスターらしく拍手もすごい。ラインスドルフ盤のピーターズの後継者と言う感じのソプラノアプローチ、あっちゃこっちゃで音を上げて転がしてでお祭り騒ぎ。それでもゴツくならず可愛らしいのがまたよい。こういうのが嫌いな人もいるでしょうけど、私は好きですよー。
ただ、彼女の高音における頭声(?)はいいんですけど、しばしば発せられる中低音での息の抜けるような薄い声は好きとは言えない。まぁ終わるころには耳が慣れてしまいますし、それでも聴かせてくる彼女の表現や演技は素晴らしいとも言えるでしょうが。

ベルタのフランコは声も演技もなかなか。シャーベットアリアの最後の高音が怪しかったのは不問でしょうね。
そのベルタを始め脇役や合唱に穴がないのも大歌劇場の面目躍如。

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字幕がないので初めての人にはいまいちなことを除けば、キャストが十全で笑えますので万人に薦められる映像でしょう。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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ブーレーズ映像盤:『ラインの黄金』 (ワーグナー)

このごろ長い感想が多いので手短に。

①音盤情報
『ラインの黄金』(ワーグナー作曲)

 ヴォータン: ドナルド・マッキンタイア
 ドンナー: マルティン・エーゲル
 フロー: ジークフリート・イェルザレム
 ローゲ: ハインツ・ツェドニク
 ファゾルト: マッティ・サルミネン
 ファフナー: フリッツ・ヒューブナー
 アルベリヒ: ヘルマン・ベヒト
 ミーメ: ヘルムート・パンプフ
 フリッカ: ハンナ・シュヴァルツ
 フライア: カルメン・レッペル
 エルダ: オルトルン・ヴェンケル
 ヴォークリンデ: ノーマ・シャープ
 ヴェルグンデ: イルゼ・グラマツキ
 フロースヒルデ: マルガ・シムル

 バイロイト祝祭管弦楽団
 指揮:ピエール・ブーレーズ
 演出:パトリス・シェロー
 1980年制作

参照したHMVはこちら

②はじめに
超有名なシェローのリングより。映像は初めて。
日本語字幕ありだし演出もまーまー分かりやすく、役者も揃っていて棒もオーソドックスなので初めての人にも薦められるでしょうね。

演出に関しては検索すれば他の方の感想がいくらでも出てくるので簡単に。
・神々が時たま手をつないで動くのは、意図は分かりますがさすがに野暮ったいかな。
・本来幕を下ろしてやるはずの場転も映してますが、これって必要だったのか。黒子さん丸見えだし...。
・幕引きが印象的。
現代の読み替え演出に比べれば単純でセットも大雑把でしょうが、違和感無くていいんじゃないですかね。

③指揮・オケ
ブーレーズはちょっと早めのテンポだけど、作りはいつもオーソドックスで誰でも楽しめるもの。ツボが抑えられ、求心力もあります。
オケもバイロイトですしグッド。

④歌手
演出が当時としては異色で、歌手に対する演技の要求レベルが高かったと思います。動きが多めでちょっと大変そう。とはいえ演技は皆さんうまいのでそこはほぼクリアー。

歌手としてはツェドニクのローゲが出色の出来。声・表現・演技の揃った理想的な狂言回し、主役は彼。ローゲをキャラクタテナーがやるとミーメとの対比が問題になりますが、ここでは表現付けがちょっと違うのでセーフか。そのパンプフのミーメもいい具合に可哀そう。
アルベリヒのベヒトも、卑しい小人と言うより「苦しむ労働者」って感じで、演出にあっててよかったのでは。

ヴォータンのマッキンタイヤは残念ながら一番微妙。(私の演出の解釈があっていれば)。
歌だけ聴いてるにはこういうのもありだけど、演出に合ってないのでは。アンフォルタスとかテルラムントみたな人間臭さとナヨナヨ感で、(落ちぶれてはいるが)傲慢で暴力的な支配階級≪ヴォータン≫像とは真逆。しかも哀愁と疲れが見える(´・ω・`)なお顔ですし。
ドンナー・フロー・ファーゾルト・ファフナーは歌としては普通か。イェルザレムは演技がいつになく堅めだったような。

フリッカのシュバルツ安定。フライアもなかなか美しくてぴったり。エルダは普通。ラインの乙女もこの世界に引き込むには十分。

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有名な映像だけあって納得の出来ですね。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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ヴァイグレ盤:『ジークフリート』 (ワーグナー)

なんかワーグナーな気分だったので。

①音盤情報
『ジークフリート』(ワーグナー作曲)

 ジークフリート: ランス・ライアン
 ミーメ: ペーター・マーシュ
 さすらい人: テリエ・ステンスフォルト
 アルベリヒ: ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー
 ファフナー: マグヌス・バルトヴィンソン
 エルダ: メレディス・アーワディ
 ブリュンヒルデ: スーザン・ブロック
 森の小鳥: カテリーナ・カスパー

 フランクフルト歌劇場管弦楽団
 ゼバスティアン・ヴァイグレ(指揮)

 録音時期 2011年10月、11月

HMVはこちらから。

②はじめに
当盤2回目の鑑賞。映像も出ていますが今回はCDです。
フランクフルトでのライブ録音。2011年なのでホント最新の録音ですね。故に音質に問題はない。

実は指環4部作のなかで、一番通して聴く回数が少ないのがこの作品。ジークフリートに相当な人を得ないととっても長~く感じてしまうのが理由かな。
とはいえ、別に他の指環作品に比べて音楽に優劣があるとは思ってないので、もの自体は好きですよー。

③指揮・オケ
贔屓にしてるヴァイグレの指揮。いつも通り明瞭な音楽作り。クナのようなスケールやショルティのような豪快さなどを求める向きの人には不評なのかもしれませんが、音楽が「適度な」緊張感を保っていて建築物のように音を組み立てる彼の棒は好み。中低弦もキレよく聴かせてくれるのもバス弾きの私としてはちょっぴり嬉しい。

オケも私の耳には問題なし。コールアングレの下手吹きは観客の笑いすら誘っててよいですねー。

④歌手
ということで一にも二にもタイトルロールがへなちょこだと聴いてられないこの作品、この盤では近年活躍目覚ましいランス・ライアン。彼の歌は前にテレビでやってたメトの映像かなにかでも聴きました。
特筆すべきは力強さとスタミナ。オケに負けじと声が飛んできますし、3幕ラストまで頑張っています。これだけ歌ってくれれば大きく文句はでないでしょうね、生で聴きたいなー。確か悪くない体格だったはずなので、映像も観たい。
しかし、音だけで聴くとあともう一歩欲しいか。まず独語の扱いがいまいちなせいなのか細かい言葉・細かい音符が潰れ気味で、旋律がぶつ切りな部分がちらほら。そういうところこそ朗々と歌ってほしかったな。勿論テヌートなところは問題ないですよ。
それと時たま母音の発声がちょっと気になります、癖があるというか苦味が強いというか。好みの問題でしょうか。前はそんな気にならなかったんですがこの録音では気になりました。
偉そうな文句ばっかりでアレですが、現代のジークフリートとして今後も期待大です。

マーシュのミーメ。端正な歌い口でダーヴィットみたいですが、美声で技もあるのでこれはこれであり。とはいえ、もうちょいグロめの珍妙なおじさんな感じのほうが相応しいのは確か。
シュベッケンベッカーのアルベリッヒは『ラインの黄金』でもいい味出してました。声も大きく迫力ありで、マーシュと合わせて兄弟がいい歌を聴かせてくれます。

ステンスヴォルトのさすらい人がまたよい。あまり名を聞かない人ではありますが、力強さと柔らかさが中庸のよい声。単純比較できませんが、以前聴いたティーレマン盤のドーメンよりは好みかな。
エルダのアーワディも『ライン』に続いて好調で、深い深い声。老いた感じの表現もよいですね。

新国でお馴染みスーザン・ブロックのブリュンヒルデ。彼女のブリュンヒルデ聞いたことあるはずなんですが、当時はほとんど知識がなかったので全然覚えてません...。明るめの鋭い声で、言い方によっては甲高い声といえる。これは好み次第か。俺は嫌いじゃありませんよ。
ただ、調子が悪いのか苦手なのかよくわかりませんが高音がヤバい。BやHもヤバく、最後のCは超ヤバで半ばシャウト。ま、出番短いしあまり気にしてません。(短いんだからキメてほしかったですが)。高音以外は良かったと思います。

ファフナーのバルトヴィンソンは半分エコーかかってるのでよくわからんです。大過なし、ぐらいか。
鳥の声のカスパーは非常に可愛らしい声でとってもチャーミング。イイネ!!

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恐らく殆ど注目されてない盤だと思いますが、私は結構お気に入りかな。お金に余裕ができたらDVDも買いたいのですが、早々に廃盤になっちゃいそうなんだよなぁ...。お金降ってこないかな←。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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新国立劇場 『死の都』(2014年3月12日)

新国の初日に行ってきました。アカデミックプラン様様です。
注意ですが、僕の席が1階前列下手側という場所だったので、特に音量バランスについてはもっといい席で見た人とは異なる印象である可能性が高いです。でもS席ですし声はよく聞こえたし舞台もよく見えたので、そこそこいい席でしたよ。

既にDVDにもなっているプロダクションなのでネタバレをあまり気にせず書きますが、大きなネタバレは最後にまとめておくので気にする方はそこを避けてください。

①公演情報
『死の都』(コルンゴルド作曲)

 パウル: トルステン・ケール
 マリエッタ/マリーの声: ミーガン・ミラー
 フランク/フリッツ: アントン・ケレミチェフ
 ブリギッタ: 山下牧子
 ガストンの声/ヴィクトリン: 小原啓楼
 ユリエッテ: 平井香織
 アルバート伯爵: 糸賀修平
 リュシエンヌ: 小野美咲

 演出: カスパー・ホルテン
 指揮: ヤロスラフ・キズリング
 東京交響楽団、新国立劇場合唱団、世田谷ジュニア合唱団

公演のオフィシャルページはこちら。その他の情報はここからどうぞ。
なお観劇したのは3月12日(水)の初日の公演です。

②はじめに
死の都の初実演。前述DVDもまだ観ていません。

演出としては通常と一点大きく異なりますが、殆ど読替えとはなっていません。むしろこの演出だと2幕後半や3幕の説得力が増し、パウルへの感情移入がしやすいのでうまいなぁと感じました。なにせ普通に台本だけ見るとパウルが狂ってるように見えて同情しづらいので...。(プログラムにある演出家へのインタビューでそのような意図の演出だとも書いてあり、実際それは成功していると思います)。原作の小説は(確か)日記調に主人公の視点から書かれているのでそういうことはあまりないのでしょうが、この台本で視覚化すると感情移入が難しくなるのでしょう。
舞台美術もとてもきれいで緻密。詳しくはないのですが美術のエス・デヴリン氏はロンドン五輪・レディガガ云々で有名な方だそうです。納得。

③指揮・オケ
指揮とオケもよかったです。まぁズレは多少ありましたが、こんな合わせづらいだろう楽譜をまとめてくるあたりさすがプロの仕事。特に金管打楽器は素晴らしく、ゴージャスなオーケストレーションを楽しめました。
弦はもっと力強い「うねり」があったほうが嬉しかったですが、それは贅沢な話なのかな。まぁ席も席だし。

指揮姿は舞台用の指揮カメラ越しに見ていましたが、流れるような大きな指揮でした。歌いやすかったのではないかと、素人ながら推測します。

④歌手
先にですが、脇役の皆さんにブラボーを。カーテンコールではイマイチな反応だったので実は声が飛んでなかったのかもしれませんが、個人的には2幕の彼らで作品の世界にグッと惹き込まれました。

フランクとフリッツを両方演じたケレミチェフ、彼がこの日最も声が出ていたように感じました。2幕冒頭の喧嘩やピエロの歌は、その太く大きい声に圧倒され感動。トーマス・ヨハネス・マイヤーの代わりらしいのですが、この日の公演のマイNo.1は彼です。ブラボー。
歌ってない時の演技は上手なのですが、声を出すと演技が大雑把になっていることはちょっぴり気になりました。その演技も歌も、良くも悪くも荒削り感があることは好みを分けるでしょう。でも個人的にはフリッツっぽさという意味でマイナスではないと思います。
彼の拍手が小さめなのは「?」でした。声飛んでないのかなぁ...。

ブリギッタの山下さん、柔らかく温かい声は好み。ブランケーネなんか聴いてみたい。
その他日本人の皆さん、みんなよかった。特にヴィクトリンの小原さんはなかなかロブストでイケボ、こちらも好みな声。
声量は確かに欧米人に負けてる気はしましたが、声の綺麗さや表現、演技の旨さを加味したら彼らにも負けないでしょう。機会があったら彼らが主演の公演も聴きに行きたい(^^)。

さて主演の二方。ケールの声は古い人に例えるとフリッツ・ウールを太くロブストにしたイメージかなぁ、中音域が力強い。(でもこの声・体型はホセじゃなくない?前に新国でやったらしいけど)。ミラーは流行り(?)だけど私的に苦手な幅の広いビブラート。でも彼女の声はそこそこ潤いがあったので嫌いじゃないです。
ところが正直1幕は、私の「耳の」チューニングがまだだったせいかイマイチに聞こえました。1幕ではミラーは音程があちこち悪いように、ケールは途中でちょっとヘタってしまっていたように感じましたね。まだ本調子じゃなかったのでしょう、結果有名なマリエッタの唄は印象に残っていません。
しかし2幕後半や3幕は素晴らしかった。特に3幕は例の演出(と私が休憩中に飲んだワイン)も相まってスゴイ緊張感。喉も温まったのか殆どおこぼれ無し。
ただ、ホントに最後の最後、パウルのハイBは盛大に裏返ってしまっていて残念。この幕ここまでそんなに疲れは見られなかったのですが...。カーテンコールでもしょんぼりな感じでした。でもこれはこんなところにこんな難しい音を書いたコルンゴルド先生のせいでもあるので、まぁ責められません。2日目以降決めて下さい!!。(ちなみにここが成功した映像は上記オフィシャルページからゲネプロの映像として観れます)。

それと、しょうがないことも失礼も承知で言うと、お二人共容姿は「うーん...」。声には代えられないとはいえ、ケールはお腹が相当目立つ。あれだと動きにキレがみえなくて映えないし、多分遠くからだと頑張って演技してもよく判らない。演技自体はそこそこうまかったと思うのですが、ねぇ。
ミラーは超ダイナマイトヒップ(残念ながらマイナス効果)でビックリしたww。でもまぁ演技は上手くて、なかなかエロティック。この二人の体格に「目を」チューニングするのに時間がかかりましたね...。

新国の合唱は相変わらず上手いですねぇ。児童合唱も良かったと思います。

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このようなハイレベルな舞台を観れたことを嬉しく思います。これからも新国には光のあまり当たらない作品も紹介していってほしいなと思います。

以下はネタバレありでちょっとだけ。ご注意を。







演出で常に舞台上には死者のマリー(黙役、エマ・ハワード)がいました。(基本的に)パウルにだけ見える幻影という設定で、女優さんが演じています。これがこの演出の鍵だったのだと思います。
もちろんその演出はいいのですが、マリー役の役者さんの細い体格とミラーのダイナマイトヒップに差があり過ぎて、「生き写し」と言われても「え、まぁ、うーん...、はい」という感じがしたのが至極残念。バランスを考えてもう少し線の太い役者さんを採用すればよかったのになぁと。

ガストンをダンサーの白髭真二さんが演じていて、詳しくないのですがお上手なダンスだったと思います。


あと最後にこの公演に限らずですが、「明らかに」観劇態度が良くない人生の先輩方がちらほらいらっしゃることは、非常に残念に思いました。


((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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カンパネッラ('07)映像盤:『連隊の娘』 (ドニゼッティ)


とってもいいDVDを1400円で仕入れてしまった(歓喜)。とってもよかったので感想がとっても長くなってます(^^;)。

①音盤情報
『連隊の娘』(ドニゼッティ作曲)

 マリー: ナタリー・デセイ
 トニオ: ホアン・ディエゴ・フローレス
 ベルケンフィールト侯爵夫人(ベルケンフェルト): フェリシティ・パーマー
 シュルピス(スルピツィオ): アレッサンドロ・コルベッリ
 オルタンシウス(オルテンシオ): ドナルド・マックスウェル
 クラッケントルプ公爵夫人: ドーン・フレンチ 、他

 コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団
 指揮: ブルーノ・カンパネッラ
 演出、衣裳: ローラン・ペリー
 装置: シャンタル・トマ
 照明: ジョエル・アダム
 収録: 2007年1月、コヴェント・ガーデン王立歌劇場(ライヴ)

こちらのHMVとwikipediaを参照しました。

②はじめに
当盤初聴、というかこのオペラを映像で観たの初めてです。
音質・画質はまぁまぁ。最新のものにしてはそこまでいい画質に感じないのはプレイヤーとの相性のせいでしょうか。とはいうものの、現代の目や耳であっても問題なしでしょう。
ただし、日本語字幕はありません。英語字幕でがまんするほかないのが少々悲しいところ、特に喜劇だと、ね。

これは実にすばらしい映像作品です。今まで観たオペラ映像の中で1番の面白さだったかもしれない。こういうものに触れると現代に生まれてよかったと思います(笑)。
後述しますがまずデセイがすごいすごい。彼女以上のマリーは100年は現れないのではないかというほど。さらに他のキャスト・指揮・オケ・舞台合わせてものすごい完成度です。

演出の細かいことは知識がなくてわからないのですが、衣装やセットは近現代的。しかし音楽と台本を壊すものではないので、むしろ現代の目には心地よく映るかもしれません。
演技の全体的な印象は、いい意味で「わざとらしい」という感じ。そのわざとらしさがとてもコミカルに映り笑いを誘います。喜劇的とでも言うんでしょうか。うーん、うまく表せませんがとにかく面白いのでオーケー。
若干私には意味がわからないセットや振りもありましたが、喜劇だしこれぐらいでちょうどいいのでは。なんとなくは笑えますし、あまり気にしてません。
台詞は英語も織り交ぜつつも基本仏語。お客さんは仏語分かってるみたいですごいなーと思いました。

③指揮・オケ
カンパネッラといえばアンダーソン&クラウスやセッラ&マティウッツィを配した同曲の録音がありますね(私は後者が未聴です)。この演目やその他ドニゼッティ・ロッシーニの諸作品を得意としているようです。

軽やかな指揮でツボを抑えた棒、オケを手中に収めてうまく導いているように感じます。ROHのオケとともに問題ありません。

④歌手
「歌手」と書くとデセイ嬢に怒られそうですね(^^;)。

まずそのデセイがまさに「マリー」そのもの。むさ苦しい中で育てられたがゆえの豪快さ、「父親」たちへの娘としての家族愛、勿論トニオに対する初々しい恋心、仲間や恋人から引き裂かれる辛さ、すべてが声でも演技でも表現されています。彼女の声自体は超特上の美声というわけではないと思いますが(もちろん美声ですよ)、あらゆる表現に対応できる声という意味でそのリソースには驚かされます。彼女の代名詞の一つであるコロラトゥーラも当然健在、音もキッチリ上げてますし、ボーイッシュな声から悲哀に満ちたウェットな声まで自由自在。てかよくもまぁ地声で怒鳴った直後に高音転がせるもんだww。
それ以上にビックリ仰天するのが、その歌をこの上なく激しい演技の中でこなしていること。全力ダッシュしたりジャンプしたり、アイロンかけたりジャガイモの皮むきをしたり、寝転がって歌ったと思ったら持ち上げられたまま歌ったり......。こんなによく動くオペラ歌手初めて見ましたよ...。そのくりくりした目と高い鼻といった愛嬌あるお顔と相まって、ディズニーだか人形劇だかそういう雰囲気すら醸し出しています。個人的にはハリーポッターのドビーが重なって見えた(笑)。
トニオのアリアは勿論超有名ですが、マリーのアリアの素晴らしいものですよね。さよならアリアも2幕のアリアも超ブラボー。

お相手フローレスも現代の第一人者。有名なハイC×9は圧巻。脂は程々乗ってるけどちょっと硬めのビブラート、そういうイメージの彼の声。それゆえドニゼッティからロッシーニまで、素晴らしい歌を聴かせてくれるのかも。例えばパヴァロッティと比較する向きもありますが、これはこれで素晴らしいと思いますよー。2幕の難アリアもさすが。前半若干ダレそうでしたが、後半が素晴らしく帳消し寧ろプラスでブラボー。彼の演技はデセイと比べちゃうとちょっと大雑把ですけど、トニオのキャラには合っていると思います。顔の表情も豊かですし。

パルマーの侯爵夫人も特筆に値します。メゾと言うよりアルトな声はこの役にはうってつけですね。声も容姿も、ハリポタのペチュニアおばさん(ダーズリー家のおばさん)っぽい...かな...。つまりぴったり。キャラのためしわがれ声ぎみなので、若干音がつぶれてる所もありましたが、まぁ気にするほどでもないです。彼女も演技がうまいですね。

コルベッリは悪いわけ無かろう、ですね。演技やアンサンブルの安定感が光ります。みんなちょっとオーバー気味(だがそれがオモシロイ)演技の中、彼の演技は割かし自然体に見えました。
マックスウェルの執事もおもろいしOK。

また、台詞のみの公爵夫人、フレンチがものすごい存在感を放ってました。声の迫力に加えて、見た目がマツコ・デラックスというかスターウォーズのジャバ・ザ・ハットというかFFIXのブラネ王女というか...。

その他チョイ役、合唱もすばらしい。先述のちょっとわざとらしい演技が合唱という「その他大勢」に面白味を与えています。特に連隊の男たちの能天気なアホ面(もちろん演技・衣装・音楽ゆえに)は面白かった。歌ってない人が若干名いるのは、音量バランスとか人数調整のためでしょうかね。

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やっぱりデセイは舞台を観ると(例え映像でも)また違いますね!!。他の映像盤は観ていないですが、この映像が不滅の名盤であることは確実でしょう。とても幸せな気分になれました、ありがとうございます。

なお、このプロダクション(映像)はROHの第2ヴァイオリン首席奏者を長年務められ、2007年に劇場での練習中突然倒れ急逝なさった、故一之瀬康夫氏に献呈されているとのこと。偉大な先人に、合掌。


((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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スウィトナー独語盤:『フィガロの結婚』 (モーツァルト)

連続でフィガロ。

①音盤情報
『フィガロの結婚』[独語歌唱](モーツァルト作曲)
 
 アルマヴィーヴァ伯爵: ヘルマン・プライ
 伯爵夫人: ヒルデ・ギューデン
 フィガロ: ヴァルター・ベリー
 スザンナ: アンネリーゼ・ローテンベルガー
 ケルビーノ: エディト・マティス
 マルチェリーナ: アンネリース・ブルマイスター
 バルトロ: フランツ・オーレンドルフ
 バジリオ: ペーター・シュライアー
 アントニオ: ジークフリート・フォーゲル 、他
 
 指揮: オトマール・スウィトナー(スイトナー)
 シュターツカペレ・ドレスデン
 ドレスデン国立歌劇場合唱団
 チェンバロ: ヴァルター・オルベルツ
 録音時期:1964年
 録音方式:ステレオ(セッション)

HMVのこちらを参照しました。

②はじめに
独語歌唱の『フィガロ』です。当時は自国の言語で上演することが多かったようですし、モーツァルトの音楽ですから独語との親和性もよく、見てくれほど変な演奏じゃありません。それどころか、伊語盤も尻込みするほどの超豪華キャストにスウィトナーとSKDのコンビという奇跡的録音になっています。

音質はステレオですが、初期な感じ。まぁ細かいノイズも少しありますが、相当気にする人じゃない限り問題ないでしょう。

③指揮・オケ
スウィトナーといえばドイツの歌劇場オケを中心に活躍した指揮者として認識しています。来日も多いようですね。特にモーツァルトは得意だったようで各種録音も残っていますね。

シュターツカペレ・ベルリンが彼の手兵だったようですが、ここではその前に首席指揮者だったドレスデン。そしてそのSKDの響きはやっぱり大好き!!。演奏としては「一糸乱れず」というほどではないですが十分な精度。

④歌手
メンツを見て腰を抜かします。よくこれだけ集めたなという感じ。

まずプライとベリーのコンビは理想的。プライについては才気煥発なフィガロ(ベーム盤)も勿論当たり役でしょうが、声としては伯爵の方がフィットしてるかなぁと思います。彼のちょいスケベオヤジは、アイゼンシュタイン(クライバー盤)然りやっぱ堪りません。それでいてちゃんと気品も感じさせるのだからスゴイ。
ベリーも実によい声で男の魅力あるフィガロ。満足満足。名手だけあって声・演技共に伯爵のプライに全く負けていません。

ローテンベルガーのスザンナはチャーミングで、マティスのケルビーノも初々しく中性的。どちらも文句なし。
この盤で好き嫌いが出るとしたらギューデンでしょうね。私自身は彼女のちょっとふわふわしたホワイト(?)な感じの声を魅力として聴いていますが、まぁ嫌いな方もいるでしょう。確かに彼女以上に適役な人はいたでしょうが、貫禄のついた彼女の歌唱もよいと思います。

そして脇役のネームバリューがヤバイ。若き日のシュライヤー、独語盤『セビリアの理髪士』でも同役だったオーレンドルフ、同盤でベルタだった名脇役ブルマイスター、こちらもこのころの録音でよく見るフォーゲル、などとまぁすごいすごい(笑)。

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裏マイベスト盤です。確かに独語だし録音は後年のものには劣りますが、魅力たっぷりの名盤といえると思います。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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マリナー盤:『フィガロの結婚』 (モーツァルト)

当初の予定通りモーツァルトです。

①音盤情報
『フィガロの結婚』(モーツァルト作曲)

 アルマヴィーヴァ伯爵: ルッジェーロ・ライモンディ
 伯爵夫人: ルチア・ポップ
 フィガロ: ホセ・ヴァン・ダム
 スザンナ: バーバラ・ヘンドリックス
 ケルビーノ: アグネス・バルツァ
 ドン・バジリオ: アルド・ヴァルディン
 マルチェリーナ: フェリシティ・パーマー
 バルトロ: ロバート・ロイド
 ドン・クルツィオ:ニール・ジェンキンス
 アントニオ: ドナルド・マクスウェル
 バルバリーナ: キャスリン・ホープ

 指揮: サー・ネヴィル・マリナー
 アカデミー室内管弦楽団
 アンブロジアン・オペラ・シンガーズ
 Cemb:ジョン・コンステイブル
 (録音: 1985.8、ロンドン)

廃盤でしかも今すぐ手元にCD本体が出せなかったので、ネットの各所を参照させてもらいました。

②はじめに
n度目の鑑賞。マジで何回聴いたかわかりません。まだオペラを殆ど知らなかった頃から聴いていたので...。
そうは言いつつも恥ずかしながら、モーツァルトものってあまり種類を聞いていないんですよね、だいたい1種類のCDで満足しちゃうもんで...(笑)。

こいつも全曲は廃盤らしい。これだけ人気にある作品なのだし再販してほしいものです。
音もよいです。ゴージャス系ではなく「細やかな」響きとでも言うんでしょうか。マリナーの指揮のおかげもあるでしょうね。

③指揮・オケ
各種モーツァルト作品や『セビリアの理髪士』を残しているなマリナーの指揮です。有名な話でしょうが、ちょうどフルオーケストラから(今流行りの)古楽器演奏に移る過渡期といえるスタイルで、室内管弦楽団による演奏になっています。

その棒とオケは「しなやか」という言葉が個人的にはぴったり。元気溌剌という感じでもゴージャスな感じでもなく、室内楽用の小ホールでこじんまりした舞台を観ている、そんな印象を受けます。それがこの戯けた話にぴったり。

④歌手
特に女声陣は素晴らしく、男性陣もなかなか。私の刷り込み盤がこいつなので、違和感がなく感想をうまく言葉にできないんですが...(^^;)。

ポップの伯爵夫人は昔「ロジーナ」であったことを仄めかす歌唱。名スザンナだった彼女ですが伯爵夫人の歌唱も引けをとらないものだと思います。
そのスザンナはここではヘンドリクス。歌い語るスザンナ。キャピキャピしたのがお好みの人には好かれないでしょうが、愛らしいスザンナ。
ケルビーノのバルツァも当たり役。ちょっと迫力のある声は、ズボン役にも持ってこい。

ライモンディとヴァン=ダムとカラヤンファミリーの二人ですのでうまいうまい。確かにFDとプライというコンビに比べると声が重く個性が薄いかもしれませんが、だからといって悪いとは全く思いません。

脇も堅い。4幕ではマルチェリーナとバジリオのアリアがちゃんと演奏されているのも嬉しいところ。

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総合点のとても高い名盤。指揮・オケ・歌手・録音のどれを聴いても一級品です。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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チェリーニ盤:『イル・トロヴァトーレ』 (ヴェルディ)

モーツァルト聴こうかなと思ってたんだけど、巡り巡ってなぜかこんな血と汗のオペラを聴くことに...(笑)。

①音盤情報
『イル・トロヴァトーレ』(ヴェルディ作曲)

 マンリーコ: ユッシ・ビョルリング
 ルーナ伯爵: レナード・ウォーレン
 アズチェーナ: フェドーラ・バルビエリ
 レオノーラ: ジンカ・ミラノフ
 フェランド: ニコラ・モスコーナ
 イネス: マーガレット・ロッジェーロ
 ルイス: パウル・フランケ

 RCAビクター交響楽団、ロバート・ショウ合唱団
 指揮:レナート・チェリーニ(チェッリーニ)
 録音:1952年2~3月

こちらのナクソスを参照。

②はじめに
n度目の鑑賞。(5回以上聴いてると思う)。
一瞬「一応...ステレオ??」と思いましたが、1952年ってことはステレオ技術がまだのはず...(←雑な耳です事)。リマスターのお陰か結構奥行きが感じられ、なかなか上質なモノラル。だがやはり小さなノイズもあるし、正規スタジオ盤としては音質良いとは言えない。

いまハイライト盤以外は廃盤なようです。上記ナクソスで全曲聴けるようです。また、有名な盤だと思うので中古等でなら手に入ると思います。

③指揮・オケ
チェリーニは劇場での指揮そのままという感じで、よくいうと「ノリがよい」で悪くいうと「雑」か。まぁこの演目はノリの方が重要な気がするしいいでしょう。

このオケはいわゆる仮面オケらしく、実態はメトのオケだったという説が有力なようです。(Wikipedia情報)。

④歌手
主役4人の充実度では数あるスタジオ録音でも最上位かと。バルビエーリを除くと「マイベスト」な人たちではないのですが総合点はかなり高い。

ビョルリングは凛々しい吟遊詩人。マンリーコって(実は)詩人なんだし、パワフル熱々歌唱よりこっちの方が本来的なのではとか思ったり。凛々しいといっても声が細いわけではなく、適度な重さの中に爽やかさや風格も同居している感じ。ハイCの絞り出すような声の出だしは多少気になりますが些細な事。

アズチェーナのバルビエーリは当たり役。中低音に旨味と迫力があり、表現も圧巻。シミオナートと並ぶアズチェーナ歌いですね。高音が得意でないようでぶら下がったりしてますが破綻してないので。この「親子」のおかげで2幕1場の2重唱がとても良かった。

ウォーレンは相変わらず声のリソースが豊富で、朗々と歌っています。表現もいい感じにフラれそうな伯爵でよいw。お得意の高音も痺れます。

レオノーラに殆ど興味がない私ですが()、ミラノフのうまさは耳を惹きます。高音やアジリタがなかなかで、弱音も素晴らしく流石はメトの大歌手。

モスコーナのフェランドを始め脇役も問題なし。モスコーナってここ以外聴いたことないなぁ、知らないだけかな。
合唱は有名どころだし、さすがにお上手。

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歌手の総合点ではベストと言えるかもしれません。このオペラが好きな人には必聴アイテムでしょう。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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ケンペ('61)盤:『ワルキューレ』 (ワーグナー)

ワーグナーは大好きなんですが、(苦ではないが物理的に)長いので聴くのもなかなか大変...。

①音盤情報
『ワルキューレ』(ワーグナー作曲)

 ジークリンデ: レジーヌ・クレスパン
 ジークムント: フリッツ・ウール
 ブリュンヒルデ: アストリッド・ヴァルナイ
 ヴォータン: ジェローム・ハインズ
 フンディング: ゴットロープ・フリック
 フリッカ: レジーナ・レズニック 、他
 
 バイロイト祝祭管弦楽団
 指揮: ルドルフ・ケンぺ
 録音時期: 1961年7月27日
 録音場所: バイロイト祝祭劇場
 録音方式: モノラル(ライヴ)

毎度おなじみ、参照はHMVのこちら

②はじめに
2度目の鑑賞。
ケンペの指環って音が悪かったり入手が難しかったりで「マニア御用達」というイメージがありますよね(^^;)。そんな中でもこの盤は、音も普通で入手も比較的容易ということでファンにとっては喜ばしいことです。

そんなわけで録音はなかなか。さすがに正規のライブ録音ほどではないしモノラルですが、ノイズは少なく安定しているので十分楽しめました。ただ2幕の最初だけ録音がなんか変で、マイクの調子が狂ったのか変な編集をしたのか...。最初2分ぐらいだけの話ですが。私の買った盤だけの不具合なのか?。

③指揮・オケ
名カペルマイスターの巧みな棒が聴きどころ。他の例えばカイルベルトと比べると柔軟性があり、智情や緩急のバランスがよいように聞こえます。そう言った意味で50年以上前の演奏ですが全く古さを感じないですね。

オケも問題ないと思いました。歌手とずれた時に慌てず何気なく対応するあたり、さすがはカペルマイスターとバイロイトのオケと言ったところでしょうね。

④歌手
総じて素晴らしいですが、特筆すべきはハインズとクレスパンでしょうか。

ハインズは贔屓にしてるんですが、いつもの真摯な歌い口と癖の少ないマイルドな美声はここでも健在。その声に表現とライブの熱気が加わり、この時代のホッターに勝るとも劣らない名演となっています。
ちなみにハインズはそのホッターの歌唱を敬愛していたらしく、ワーグナー作品における表現をトレースしているとのこと。確かに言われてみれば似てる気がします。

クレスパンのジークリンデとしてはあのショルティ盤で有名ですが、こちらはライブ。ショルティ盤では清楚ながら芯がある声で歌っているイメージでした。ここではその芯のある美声に、更に人妻っぽい色気も少し加わり稀代の名唱。ジークリンデのベスト(の1つ)じゃないでしょうか。

お相手のウールは徐々に調子を上げていった印象で、特に2幕はよかった。ただ、キャラクターテナーとヘルデンの間ぐらい声質と音の処理なので違和感が無くはない。芸が広いだけあって巧いのですが、彼はエリックやローゲ、マッテオなどの方が適正があるかな。
敵役がフリックなのでちょっと迫力負けしてて可哀想w。そのフリックはベテランの安定感と完成度。

ヴァルナイのブリュンヒルデは貫禄が毎度ながらすごい(笑)。その強靭な声と言葉に魔法をかけるが如き表現力にはただただ平伏すしかないです。一方で、年をとって重くなってきた声によるその「貫禄」は、(『黄昏』の同役ならいいでしょうが)この作品のブリュンヒルデに合っていないかなぁ、とも思ったり。贅沢な話ですが。
もう一人の女声レズニック、若い頃にジークリンデを歌ってますが今回はフリッカ。キレのある声で追求しててなかなか。ただヴァルナイがやたら貫禄あるので、一体どっちがフリッカなんだかww。

ワルキューレたちは、歌いだしの人が何やら危なかったり、ひとり個人的に引っかかる声の人はいましたが、総合的には大過なし。ジーヴェルトやグレイス・ホフマンといった名脇役も名を連ねています。

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この時代の録音は圧倒的にホッターのヴォータンが多いのですが(もちろんホッターは大好き)、このハインズや、例えばロンドンの歌唱も魅力的。ケンペの指揮とその他名歌手含め、見逃すにはもったいない盤だと思います!。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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シノーポリ盤:『ナクソス島のアリアドネ』 (R.シュトラウス)

今の内に宣言しておきますが、ここに書いた音盤を再度聞いた場合は感想を加筆していく予定です。細かい修正はこっそりやりますが、大きな修正・加筆は前後が分かるようにすると思います。

①音盤情報
『ナクソス島のアリアドネ』 (R.シュトラウス作曲)

 プリマドンナ/アリアドネ: デボラ・ヴォイト
 作曲家: アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
 ツェルビネッタ: ナタリー・デセイ
 テノール歌手/バッカス: ベン・ヘップナー
 音楽教師: アルベルト・ドーハン
 舞踏教師: ロムアルド・ペックネイ 、他
 
 ドレスデン国立歌劇場合唱団
 シュターツカペレ・ドレスデン
 指揮: ジュセッペ・シノーポリ
 2001年録音 by DG
 
参照したHMVページはこちら。脇役が超多いので全員書くのは諦めました...。

②はじめに
3度目の鑑賞。シノーポリ最後の録音として有名ですね。これと同じヴォイトとデセイのレヴァイン映像盤アリアドネがあるようですがそちらは未聴です。

現在大物な歌手たちがまだ若手だったころの録音、という感じ(フォン・オッターは既にベテランだったでしょうが)。録音も新しいのでいいですね。

③指揮・オケ
ビックネームが揃ってますが一番の聴きどころはシノーポリとSKDだと思います。もともとSKDの音色が好きなのですが、ここでは少人数編成ながらシノーポリの棒のもとで雄弁な音を響かせてて非常に楽しめました。特にオペラ部分後半の長大な二重唱の伴奏部なんてとても36人の音とは思えません。
録音の新しさもあいまって、オケを楽しむにはかなりいい盤といえるでしょうね。

④歌手
ビックネームが揃っているのですが、思いのほか「ちゃきちゃき」してなくて大人しい印象。ゆっくり腰を据えて聴くにはいいですが、もっと活気がある方が好みですかね。

フォン・オッターの作曲家はさすがなんですが、もっとできたのではとも思ってしまいます。この役の若さゆえか陶酔的で思いこみ激しい(私見)を、もっとロマンティックに歌ってほしかったなぁ。

デセイについても、その技術と声は素晴らしくこれぞ現代の第一人者という感じなのですが、もっと「ちゃきちゃき」やって欲しかったな、と。彼女なら絶対出来たはずなのに...。一方で女性的でたおやかなツェルビネッタになっているとも言えて、まぁ好みの問題な気もします。
また調子の悪かった頃という先入観があってか、超ハイレベルな歌唱の中にも「彼女のベストではないかな」と思う箇所もあります。(例えば大アリアはアリア集の歌唱の方が好みです)。
是非前述のライブ映像盤を観てみたいところ。

タイトルロールのヴォイト、以前聴いたブリュンヒルデはいまいちに感じたのですが、ここでの歌唱はなかなか。
ヘップナーのバッカスも素晴らしい歌唱ですね。ただちょっと大人びてて「若々しい神さま」という感じではないかも。

ドーメン以下脇も固まってます。特にあの3人の精たちがなかなかによく、特に一番声域の高い水の精のホスフェルドの声が瑞々しくて魅力的でした。舞踏一座のみなさんは前述の通り他盤よりは若干大人しい気がするけど、やっぱお上手。

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シノーポリ&SKDを聴く方、現代の名歌手を腰を据えて楽しみたい方にはオススメ。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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アルフレード・クラウス:『アルフレード・クラウスの芸術』

ラストはこの人。

①音盤情報
『アルフレード・クラウスの芸術』(アルフレード・クラウス)

 ヴェルディ作曲『リゴレット』より “Ella mi fu rapita”
 ロッシーニ作曲『セビリアの理髪師』より “Se il mio nome”
 グノー作曲『ファウスト』より “salve, dimora”
 リムスキー=コルサコフ作曲『雪娘』よりアリア
 ビゼー作曲『カルメン』より “Il fiore”
 チレア作曲『アルルの女』より Lamento di Federico
 ポンキエッリ作曲『ジョコンダ』より “Cielo e mar”
 モーツァルト作曲『魔笛』より “Die Bildnis”
 ヴェルディ作曲『リゴレット』より “Questa o quella”
 ロッシーニ作曲『セビリアの理髪師』より “Ecco ridente”
 ドニゼッティ作曲『ランメルモールのルチア』より “Tu che a dio”
 ヴェルディ作曲『アイーダ』より “Celeste Aida”

 アルフレード・クラウス(T)
 マドリード交響楽団
 指揮:マリオ・コルドーネ
 (by BONGIOVANNNI)

ブックレットにあった通り書きました。参考までに英国Amazonはこちら。『雪女』『アルルの女』のアリアの詳細は、私自身こいつらを全曲で聴いたことないので分かりません。ごめんなさい。

②感想
うちにあったクラウスのアリア集が、なんか知らないけど超マイナー盤ww。(ちなみに我が家のオペラ音源は、95%が父親が買ったもの、5%が私の入手したものという感じです。父強し。)
何を隠そうファウストやカルメンのアリアが伊語(爆笑)。いや、クラウスは仏語できるじゃん!!っていう感じ。恐らくスペイン産の録音だと思うんですが、西語ならまだしもなぜ伊語...。ただし原語で歌っているタミーノのアリアはその独語が...って感じに(~~;)。
あと音質はステレオ初期な感じで、スタジオ録音にしては良くはありません。

突っ込みどころは置いておいて本題。歌唱自体は相変わらず気品溢れ若さ薫るもので素晴らしい。特にラスト3つがよかったと思います。
ドニゼッティはさすが得意なだけありブラボー。アルマヴィーヴァ伯爵はライブ盤も一応ありますが、アリアとして聴くならこちらでしょう。絶妙な弱音処理とラストハイCにブラボー。ラダメスは実演で歌ったことあるのか知りませんが、このアリアだけならよきもの。最後のハイBをクレッシェンドしていてまたまたブラボー(指定とは逆(記憶違いでした)楽譜にはないけどww)。

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珍盤でしょうが、伯爵やラダメスといったほとんど記録にない歌唱も楽しめます。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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ピラール・ローレンガー:『プリマドンナ・イン・ウィーン』

アリア集2つ目。

①音盤情報
『プリマドンナ・イン・ウィーン』(ピラール・ローレンガー)

 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」~
  E Susanna non vien! … Dove sono i bei momenti (Contessa)
 ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」~
  O war’ ich schon mit dir vereint (Marzelline)
 ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」~
  Wie nahte mir der Schlummer … Leise, leise, fromme Weise (Agathe)
 ワーグナー:歌劇「タンホイザー」~
  Dich, teure Halle (Elisabeth)
 コルンゴルト:歌劇「死の都」~
  Gluck, das mir verblieb (Marietta)
 R.シュトラウス:歌劇「アラベラ」~
  Er ist der Richtige nicht fur mich … Aber der Richtige, wenn’s einen gibt fur mich (Arabella)*
 J.シュトラウス:喜歌劇「ジプシー男爵」~
  O, habet Acht (Saffi)
 ツェラー:喜歌劇「小鳥売り」~
  Schenkt man sich Rosen in Tirol (Countess)
 レハール:喜歌劇「エヴァ」~
  War’ es auch nichts als ein Augenblick (Eva)
 レハール:喜歌劇「ジプシーの恋」~
  Hor’ich Zymbalklange
 カールマン:喜歌劇「チャールダーシュ公爵夫人」~
  O jag’dem Gluck nicht nach (Sylva Varescu)

 ピラール・ローレンガー(S)
 アーリーン・オジェー(S)*
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
 指揮:ワルター・ウェラー

 録音:1971年12月 ウィーン、ゾフィエンザール[ステレオ]

以上こちらのHMVページを参照。

②感想
前述のベルゴンツィのと同じ、デッカのオペラ・リサイタルというシリーズ。
正規でスタジオ録音でステレオなので音質に問題なし。

前半はドイツもののアリア。ローレンガーの癖の少ない美声と程よい表現が心地よい。ここでは彼女が時たま発するキツーいビブラートも気になりません。伯爵夫人・エリザベート・マリエッタのアリアが特によかった。アラベラは好きな作品なので期待していたのですが、彼女の声はリヒャルト・シュトラウスには合わないかなぁと思うに至りました(^^;)。

後半のオペレッタも詳しくないのですが楽しくてよかった。オペレッタのアリアって、筋を知らなくても聞いててなんか楽しくなってきちゃいますよねー。

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ローレンガーって、レパートリーの広さと日本内知名度のわりには全曲盤が少ないと感じています。ファンとしてはとても残念です。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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カルロ・ベルゴンツィ:『オペラ・リサイタル』

3連続でアリア集いきます。

①音盤情報
『オペラ・リサイタル』(カルロ・ベルゴンツィ)

 ヴェルディ:『アイーダ』~清きアイーダ
 ヴェルディ:『ルイーザ・ミラー』~夜が静まったとき
 ヴェルディ:『運命の力』~おお、天使のようなレオノーラ
 ヴェルディ:『トロヴァトーレ』~いとしの君よ
 ヴェルディ:『仮面舞踏会』~永久に君を失えば
 マイアベーア:『アフリカの女』~おお、パラダイス
 ジョルダーノ:『アンドレア・シェニエ』~5月の晴れた日のように
 チレーア:『アドリアナ・ルクヴルール』~あなたの中に母のやさしさとほほえみを
 チレーア:『アドリアナ・ルクヴルール』~心は疲労し
 プッチーニ:『トスカ』~妙なる調和
 プッチーニ:『トスカ』~星は輝き
 プッチーニ:『マノン・レスコー』~何とすばらしい美人

 カルロ・ベルゴンツィ(T)
 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
 指揮:ジャナンドレア・ガヴァツェーニ
 録音:1957年6月、7月、フィレンツェ

以上こちらのHMVページを参照。

②感想
聴くのは2度目。
デッカが録っているオペラ・リサイタルというシリーズから。このシリーズは「リサイタル」と銘うっていていますが、私が聞いたものはすべてスタジオ録音でした。

ベルゴンツィのキャリア初期の録音でしょうか。正規でステレオですし音質に問題なし。ガヴァツェーニの棒もいいですね。

前半のヴェルディは圧巻。「死ぬまで歌える」と言われたスタイリッシュで安定した、しかし適度に熱のこもった歌を聴かせてくれます。某書で酒井彰氏が「呼吸に音を乗せていく」歌唱の究極形と評していたのがとてもしっくりきますね。ヴェルディの中では特にリッカルドのアリアが良かったです。

後半のヴェリズモたちは普通。シェニエはなかなかでしたが、やっぱり彼はベルカントやヴェルディのが良いですねぇ。

しかし一番よかったのはマイヤベーアのアフリカ女のアリア。恥ずかしながらこの作曲家の作品はアリアしか聴いたことなく詳しくは分からないのですが、短いながら高音域の続く難曲なんだと思います。例えば最後の高音はきれいに伸びていて圧巻。

あと、前から気になっていたんですが...。彼が高音を聞くと「口をすぼめる」(喉をあまり開かない?)感じを受けるのは私だけでしょうか。あれが喉に負担をかけない安定感の秘密なのかな、発声に無知で私はわかりません...。教えて偉い人!!。

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ベルゴンツィの若い頃の声を聴くにはもってこい。



((以上感想は素人耳による非常に個人的なものですのでご注意ください))

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